• 新井 千鶴

固有名詞の一般名詞化


「大きいコップに、ポカリスエット、入れてくんない?」



3歳の次男から、このようなドリンクのリクエストが入ることがあります。

でも、冷蔵庫の中に入っているのは、アクエリアス。


いつも行くドラッグストアの買いやすい棚にあるためか、アクエリアスを買うことが多いのが我が家。なのに、なぜ、3歳児から「ポカリスエット」と指名が入ったのでしょうか。


もしかしたら、スポーツドリンクの名称として、ポカリスエットを一般名詞化して、私が無意識のうちに口にしていたのかもしれません。


固有名詞が一般名詞化するということは、その固有名詞が強い存在力、ブランド力を持っている証拠のように思えます。マーケティングとプロモーションのたどり着く「最終到達地点」と言えるのかもしれません。



ほかにはどんな例があるのか調べてみると、いろんな事例がヒットしました。それらを眺めていると、固有名詞の一般名詞化には、3つの段階があるような気がします。


1つ目は、その固有名詞が強い商品力を持ちながらも、マーケットには他の商標もあってシェアをせめぎ合っているが、伝わりやすさ等からその固有名詞を口に出してしまうもの

(例:スポーツドリンク業界のポカリスエット、ラップフィルム業界のサランサップ等)


これは、絶対的なものではなく、本人の消費傾向によっても変わって来る気がします。



2つ目は、極端に言うと、固有名詞であることを知らずに一般名詞として使っているもの。

仮に固有名詞と知っていても、存在感の大きさが際立っているので、他の商標よりも真っ先に頭に浮かぶもの。

(例:ウォシュレット、亀の子たわし、コロコロ、シーチキン、シャチハタ、バルサン、ホッチキス、ボンド、マジックテープ等)固有名詞が、その商品カテゴリーの名称であるかのように認識されるという状態は、ブランディングとマーケティングの成功例と言えそうです。



3つ目は、固有名詞の存在感がさらに大きくなって、単独でカテゴリーを構成していると認識させるもの。

「固有名詞の一般名詞化」を突き抜けた先の状態と言えそうです。

(例:ハーレー・ダビッドソン、アップルのマック等)ハーレーはバイクの一種と認識するよりも、ハーレーと認識され、マックもパソコンと認識されるよりも、マックと認識される。モノ作りの極致と言えるかもしれません。



3歳の次男の一言から、固有名詞の一般名詞化について考えてみましたが、このテーマは奥が深くて、もっと深い研究がなされている領域と思われました。

私も研究を深めてみたいと思います。


なお、アクエリアスをポカリスエットと3歳児が呼んだ逸話は、大塚製薬様にもコカ・コーラ様にも大変失礼な話でありますが、あくまでも一消費者としての感想と聞き流してください。。。