• 新井 千鶴

ティラノサウルスとT-rexについて

更新日:2021年9月2日


今日は恐竜について書きます。



ティラノサウルスは正式な名前ではありません。


ティラノサウルスの生物学的な分類は、


ティラノサウルス科

 ティラノサウルス属

  レックス種 と言います。


最近は、ティラノサウルスのことを、

T-レックスと呼んだり、

単に種名だけをとって

レックスと呼ばれることも増えてきましたね。


これは、世界共通の正式な学名が

スタンダードになってきたから。



学名はTyrannosaurus rex(ティラノサウルス・レックス)

「ティラノサウルス属」の中の「レックス」種で

「ティラノサウルス・レックス」という学名。


「T.Rex(ティー・レックス)」は

「ティラノサウルス・レックス」を省略した呼び方。


学名にはレックスがついているけど、

一般的には「ティラノサウルス」と呼ぶ人の方が多いでしょう。


なぜか。


それは、

「ティラノサウルス属」には

「レックス種」しか発見されていないからです。


だから、

今後の研究や調査で、

他の種が発見された場合は、

「ティラノサウルス・レックス」と区別する必要がありますね。



みんな知ってる「ティラノサウルス」


映画『ジュラシック・ワールド』内でも、

ティラノサウルス・レックスって呼んでいます。


世界のスタンダードに合わせるなら、

もうティラノサウルスって呼ばないで、

T-レックスって呼ぶ方が、

かっこいいかもしれませんね☆



【恐竜メモ】--------------------------------------

●科名 ティラノサウルス科

●学名 Tyrannosaurus rex

●サイズ 体高4.5〜6.0m /全長約12.5m

●体重 約9t

●食性 肉食

●時代 白亜紀後期(約7500万年~6550万年前頃)

●生息地域 アメリカ・カナダ

●特長 体の大きさのわりに頭がとても大きく、ギザギザに尖った歯で獲物を骨から噛み砕いていた。一口で230kgの肉を捕食可能だったと言われている。


●近年のアップデート

★分類群

これまで100年以上にわたって、恐竜の祖先の始まりの分類は【鳥盤類】と【竜盤類】の2群とされてきたが、2017年 イギリスの研究者たちが新しい分類案を提唱した。それは、【竜盤類】のなかの獣脚類が、【鳥盤類】の方に近いのでは?ということで、今までの分類系統樹を書き換える提案だった。これまで位置付けが定まっていなかったヘレラサウルス類と竜脚類で1つの枝を形成し(これを「竜盤類」として再定義)、獣脚類と鳥盤類を新たな枝「Ornithoscelida(ギリシャ語で「鳥の後肢」を意味する)」という分類群名でまとめた。(出典:Nature Vol.543, p.501-506.)現在は、まだ確証はなく推測の範疇。


★しっぽ

1954年(昭和29年)のゴジラに描かれたように、恐竜は垂直に立ち、しっぽを引きずって歩く説が主流だった。しかし、1976年「大恐竜時代」(二見書房)の出版により、恐竜は、実はしっぽでバランスをとり、二本歩行や走行していたことが広まると、恐竜の描かれ方(シルエット)のバランスも変化した。


★羽毛説

・中国遼寧省の後期ジュラ紀(約1億6千万年前)の地層から、鳥の羽毛のような繊維をもつ恐竜の化石が発見されている

  2004年 小型のティラノサウルス系/ディロンに原始的な羽毛が体を覆っていた

  2012年 体長9メートルの大型ティラノサウルス系/ユティランヌス。発見された3体の個体ともに15cmほどの羽毛の痕跡あり。それまで小型恐竜に限られていた羽毛の痕跡が、大型獣脚類にも残っていた。

・2021年現在のティラノサウルスの復元イメージは、さまざまなものが混在しており、羽毛説はまだ実は確証がなく、推測の範疇。

・近年、有力とされているのは、子供のティラノサウルスは羽毛を生やしていても、大人になると羽毛が抜け、ゾウのようなウロコだった説。


★歯

2014年(長崎県長崎市)白亜紀後期の地層から、大型種に属する歯の化石。ティラノサウルス科の左下の顎の歯(全長は推定10メートル)

2019年(岩手県久慈市) 白亜紀後期の地層から、歯の化石。(全長はおよそ3m前後)


ティラノサウルス上科

・白亜紀前期の化石(前上顎骨の歯)

 福井県大野市、石川県白山市、兵庫県丹波市


・白亜紀後期の化石

 熊本県御船町(前上顎骨の歯)、福島県広野町(左脛骨と歯だが大きな個体のティラノサウルス系ではない)



<参考文献>

「小学館の図鑑NEO[新版]恐竜DVDつき」第12版、株式会社小学館(2018)

Baron, M. G., Norman, D. B. & Barrett, P. M. Nature 543, 501–506 (2017).

Padian, K. Nature 543, 494–495 (2017).

小堀龍之、「ティラノの体、やっぱりウロコ? 羽毛説を覆す研究結果」、朝日新聞デジタル(2017)

小林快次、「新種の恐竜化石が教えてくれること」(視点・論点)、NHK解説委員会(2021)

田村 博、「Vol.3 ティラノサウルスが尻尾を持ち上げた日 1」、新恐竜秘宝館(2019)

田村 博、「Vol.11 私の恐竜半生記2『1976年に大恐竜時代で温血説にふれ本格的に恐竜にはまる』の巻」、新恐竜秘宝館(2019)

恐竜百科、「ティラノサウルス」(2020)

リアルサウンド編集部、「ティラノサウルスは羽毛でモフモフだった? 『ダーウィンが来た!』敏腕ディレクターが語る、“古生物のアップデート”」(2021)

植田和貴 、「NHKダーウィンが来た! 特別編集」、講談社(2017)

※参考文献についてはまとめ中です。


【2021年8月23日追記】

ティラノサウルスの顎先は高感度の触覚センサーとして機能していた可能性が明らかになり、論文として発表された。(8/23NHKデジタルニュースより)


<論文>Complex neurovascular system in the dentary of Tyrannosaurus

[和訳:ティラノサウルスの歯骨に見られる複雑な血管神経系]

<著者(連名順)>河部 壮一郎(福井県立大学恐竜学研究所准教授、福井県立恐竜博物館研究員)服部創紀(福井県立大学恐竜学研究所助教、福井県立恐竜博物館研究員)

<掲載雑誌>Historical Biology(ヒストリカル・バイオロジー)

<掲載日>2021年8月23日㈪ 電子版で掲載(後日冊子体に掲載)


【2021年9月2日追記】

下顎先が敏感でセンサーの役割があったなら、

猫のヒゲみたいなものがあったのかな~と推測します。


TーREXは目が悪く、

動いているものでないと識別できなかったと言われているし、

目があの位置なので、

超近接距離だと自分の顔が死角だったんじゃないかと。


だから追い詰めた獲物などは

顎ひげでスリスリしてたと推理することができると思うのです。


岩とかスリスリしたら擦りむいてしまうし。。。


TーREXは手が使えないし、

鼻も地上高があっただろうから、

第一段階のセンサーとしてはヒゲがあったのではの仮説です!

by SENNIN